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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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さて、では教師が「本務ではない」「何とか効率よくできないか」と考えている仕事とはどんなものなのでしょう?私だけの考えかもしれませんが、思いつくまま書いてみます。

……・……*……・……

★数々の調査
「前はなかったよねこんな調査」というのが最近増えてきました。情報関係に多いです。「教員のパソコンの技能がどの程度かアンケートを採って調べて下さい」「パソコンを授業に活用できる教師の数を調査して下さい」「パソコン教室をどの学年が何時間何の教科でどのソフトを使って学習したか集計して出して下さい」…たくさんの項目を入れてアンケートをわざわざ作り、担任の先生に配布してアンケートを採って、学年ごとに集計して清書して教育委員会に送ります。またしばらくすると教育委員会の別の課から似たような調査が送られてきて、またアンケートを作り、調査して送る。しばらくしてまた別のところから「学校のパソコンのIPアドレスとMACアドレスを全部書き出して送って下さい」…いっぺんに調査しろっつーの。

その他にも
・道徳などの副読本を学校でどれだけ(どの授業で何時間、どんなめあてで)活用しているかの調査
・総合的な学習でどんな内容の学習をどのように展開していったかの実践報告
・不登校児童や登校渋り児童について、欠席日数・児童への働きかけなどを毎月集計して報告
・少人数指導をした時数と入った教科・学年、指導の形態(一斉指導かグループ別か、学級単位か学年単位か、担任が主導したかどうかなど)やそれに関わった教員数の調査

まだまだ、私が関わったことのない部分でいろいろな調査が来ていたり、報告書などの提出物を出さなければならなくなっていると思います。以前はなかった調査や、同じ提出書類でも最近特に詳しく書かなければならなくなっている(詳しく書かなかったり、昨年と同じ事を書いたりしていると差し戻し・再提出を言い渡されます)ものなど、どんどん増えています。

…外部委託できるものならしたいです。年間計画の作成や、やったことの記録はしているので、担任の先生方から聞き取り調査をしてまとめて、それを委員会から示された書式の通りに埋めていくだけです。こんな地味で面倒な仕事、誰か引き受けてくれるかしら?(^^ゞ


★外部からの、作品の応募依頼や授業の依頼
公立学校には「指導要領」というものが存在して、学習する内容と授業にかける時間がきっちり細かく決まっています。ですから、その中にあてはまる学習は歓迎ですけど、あてはまらない学習に関するものは困ってしまうのです。

例えば、夏休みなどに来る様々な作品募集。家庭から個別に応募するようになっているものはちっとも困らないのですけどね、「学校でとりまとめて○点に絞って応募して下さい」等というところが多く、「学校を下請けにするな!」と怒ってしまいます。夏休み明けに校内の作品展に飾るものだけでもものすごい量の作品が集まるのに、それに加えて「○○新聞社主催の絵画展」とか「○○社主催の読書感想文の募集」とか「○○を使った工作を募集」とかいろいろあって、それを仕分けするのにも一苦労。

その上、「締め切りを過ぎてから持ってくる」「作品の寸法、原稿用紙の枚数など、条件に合わないものを持ってくる」「持ってきたはいいがどれに応募したいのか分からない」「応募用紙を貼るようになっているのに貼っていない」なんて作品を1つずつチェックして修正して出す。

「出す」って簡単に言いますけどね、作品をまとめて手分けしてそれぞれの会社まで運ぶんですよ。遠いところだと郵送になりますが、学校が梱包して送料まで持つわけです。指導要領の内容ではない、授業でしたわけでもない、全員が取り組んだわけでもない、夏休みの作品を、です。…なんかおかしくないですか?

もちろん、学習の一環として全員が取り組み、応募するものもあります。でもそれは、総合的な学習で環境について学習した後に○時間かけてポスター作成に取り組むとか、算数で円グラフなどの描き方を学習したのでグラフコンクールに出してみるとか、学習の内容を考えて年間計画に取り入れたものになるはずだし、学校全体で審議した上で選りすぐった作品展のみになるはずです。また、企業の協賛ではない、県や市単位で行う書写展や図工展があるはずです。

それ以外の応募は、はっきり言って、年間計画に入っておりませんのでお受けできません。にもかかわらず学校に「こういう作品を応募して下さい」「こんなビデオができましたので使って下さい」「○○について講師を派遣します」と来る。

学校に案内が来るだけなら、郵便物を処分すること、電話口でお断りすることで私達の仕事は減りますが(それでも教頭先生なんかは仕事中断されて大変だよね)、ひどいときには、勝手に新聞広告を出して募集して、「学校に作品を提出して下さい」と書いてあるんです。子ども達は一生懸命書いて学校に持ってきますから、仕方なく受け取りますが、教育計画に合わない募集は処分していますから、送り先が分からない。時間を費やして調べて送る私達はいったい何なんだ?!と思うのです。この作業がなければ、どれだけ9月の仕事がスムーズになることか。

子ども達に作品を書いてほしいと思うなら、ビデオを使って欲しいと思うなら、せめて指導要領を読んで、どの教科のどの単元で学習するのかも一緒に提案して下さい。何でも小学校に持って行けばいいと思うのはやめて下さいねー。

あ、そういえば「縁日で買ったひよこを育てられないからと学校に持って行く」「何だか古い本がたくさん蔵から出てきたので学校の図書館に寄贈する」なんてのも大迷惑なのでよろしくね。縁日で売られているひよこは大体白色レグホンの雄ばかりで、卵は産まないしめっちゃ気性は荒いし、既に入っている飼育小屋の鶏たちがいじめられること必至です。あと、観察池にブラックバスかなんかを入れられて、せっかく育てていたメダカが全滅したっていうのもありましたねー。(´ヘ`;)ハァ


★校内LANが整備されれば効率化が図れると思う仕事
今やっている仕事で、ネットワークを活かせば効率化が図れると思う仕事はかなりあります。でもまあ、行政はそんなところにお金をかけないので、当分アナログ作業でしょうねぇ。

・朝の健康観察
出席を取って記入し、記録した健康観察簿は朝のうちに保健室に持って行きます。でも、休みだと思った子が午後から来たり、急に具合が悪くなって早退者が出たりしますよね。そういう時はいちいち保健室に修正に行く暇はないので自分のノートに記録します。この二重帳簿的なものを見ながら、出席簿を作るわけです。

ここのところが、教室からぱぱっとできれば(現にこのやり方を導入している学校もあるそうですね)、わざわざ誰かが保健室に健康観察簿を持って行って帰ってくるのを待たなくていいし、出席簿も短時間で間違いなく作ることができると思うんですよね。今は出席日数の合計を「今月は21日だよね」「うんうん」「あれ?1年生なのに?」「あ〜、入学式より前から来たことになってた〜!が〜ん。やり直しだぁ」なんて失敗がなくなりますし。(よくやっていた)σ(^◇^;)

・諸連絡や会議
たいていの学校は「職朝」と称して、子ども達が来る前や来た後のちょっとした時間を連絡に当てています。でも、朝はただでさえ忙しい。できれば時間短縮、できれば職朝そのものがないのが望ましいですね。それに、会議といっても連絡事項のみ、ということも多いです。

で、職員一人ひとりが朝来てすぐ自分の机上のパソコンで自分に関わる諸連絡を見ることができるようになれば、ずいぶん会議も減って、時間を有効に使えると思うんですよ。これも、既に実施できている学校はあるみたいですが、行政が動かないところはいつまでたっても…なんですねー。

・様々な書類の提出
前述したようないろんな書類を教育委員会に提出する時には、この辺りでは「連絡便」というシステムを使っています。ぶっちゃけた話、全部の学校の用務の先生が、教育委員会の各課やあちこちの学校に送る書類を持って教育委員会に集まり、そこで手作業で仕分けをして、自分の学校宛の書類を持って帰るという、郵便屋さん真っ青の前近代的なシステムなのです。

これがEメールでパソコンから送れるようになれば、ずいぶんと楽になるし、事務処理が早くすむし、紙の節約にもなっていいと思います。一応メールのシステムは作られつつあります。でも、まだ職員一人ひとりにパソコンが行き渡っていないし、セキュリティの関係上個人のパソコンを接続できないので、職員室に何台かあるパソコンを交代で使うという非効率的な事務処理になりそうです。

文部科学省は平成17年までに、教員一人に1台ずつパソコンを整備するという壮大な計画を立てたのですが、計画倒れになっています。つか、もう平成20年なんですけど。

参考:文部科学省「学校のコンピュータ整備及びインターネット接続について」

これ読むとすごい夢物語書いてますよ。実現すれば、今頃はパソコン教室に児童用パソコンが40台、教師用パソコンが2台あるはずだし、普通教室全てにパソコンが1台ずつ、特別教室に合わせて6台、教員は一人1台ノートパソコンを持ち、教室と職員室の間を持ち運んで、校内LANでどこでも仕事ができるようになっているはずです。

…嘘ばっかり。


★その他作業
・掃除やペンキ塗りなど
これはぜひボランティアなどでやっていただきたい!この辺りだけかもしれませんが、教室や廊下のワックス掛け、遊具や壁のペンキ塗りなどは、長期休業中の教員の仕事になっているんです。以前は高学年の子がワックスをかけたりもしていたのではと思うのですが、薬剤などは使わせられないので自然と教師だけでするようになったんでしょうね。

子どものいない夏期休業中などに、PTAや地域の方々でしていただけるととても助かると思います。でも、子連れで来るとおそらく邪魔になりますので、生半可な気持ちで来られると困っちゃうかも。また、その作業の間に教員は別の仕事をすることになりますが「先生も手伝えばいいのに」なんて思わないで下さる方希望です。あはは。

・印刷物の作成
一枚だけならほんの5分で済むのでしょうけど、学校で作られる印刷物は多いですね。
時間割りや学級通信、学習に使うプリント、宿題や練習問題のプリント、音読や計算ドリルなどのがんばりカード、毎日のチェックカードや日記の紙、作文用紙、文集、家庭訪問などのアンケート用紙、水泳学習参加カード、行事の実施案、会議の資料、研修資料、etc.…

原稿を作る作業は教師でないと無理でしょうが、印刷したり一部ずつまとめたりするだけなら、誰でも大丈夫なので、これはやっていただけると嬉しいですね。


…また長くなってしまいました。
あと一個、○付け以外に先生達はどんな仕事をしているのか?を書きたいと思います。
3部作になってしまいました。(^O^)

【小学校の学級担任の仕事は○付けばかりだと思われてるのかしら?(3)】に続く


…… コメント ……

2008/3/8 15:29 投稿者:オ
みっぴさんこんにちは。
今更ながら記事を読ませていただきました。

諸連絡や会議について・・・いつも、もうちょっとスリム化できないものかと思っていました。
やりたい仕事は山ほどあるのに、毎回職員会議が勤務時間を30分以上もオーバーして、涙目です。
その時間に、学習が遅れている子の補習をしたり、教材研究したり・・・いったいどれだけのことができるか!
調査系の依頼も本当に多いですよね。教員自己評価だって、これ何か意味があるのかなぁ、もっと他にやるべきことがあるんじゃないかなぁ、と疑問に思いつつやっています。

教材研究など、あれもやりたい、これもやりたい、ノートや日記にも全部コメントを付けたい、お便りも毎日出したい、明日の宿題も作っておきたい、あ、そうだ、行事の準備もしなきゃ、教室掲示は・・・、よい形で進級させるためには・・・と思ってやっていると、いつも帰りが遅くなってしまって、家と学校を行き来するだけの生活になってしまいます。
効率的にやっているつもりなのですが・・・子どもに合わせて全部を完璧に頑張ろうとすると、延々と終わらなくなりますね;
2月に突然休職者が出てしまって、約1年ぶりに担任をやっているのですが、ジレンマに悩まされています(´∀`;)
それでも楽しいんですけどね(笑)


2008/3/8 15:31 投稿者:7
すみません、七です;
どうしても投稿者名が化けてしまうようですm(_ _;)m


2008/3/9 19:06 投稿者:みっぴ
■七さん、いらっしゃいませ。
職員会議が30分以上伸びるってのは尋常じゃないですねー。うちは卒業式の提案でも10分程度伸びるくらいです。でもたまに、ちゃんと根回しができてなくて意見や質問が続出し、ほとんど再提案になる先生とか、延々提案の説明をする(というか書類を読んでる)とんでもない先生がいたりしますね。音読より黙読の方が速いって分かってないんでしょうね。そういうのを指導するのも管理職の役目だと思うんですけどね。校長先生の話もやたら長かったりしますね。(^^ゞ

調査とかホント多いですよね。こちらの方では「帳面消し」という言葉をよく使います。「やったという事実を残しただけの仕事」という感じの意味ですね。「お役所仕事」というのにも似てるなあ。それが本当に子どものためになるんだったら、時間がかかっても納得がいくんですけどねえ。

担任お疲れさまです。他の先生の学級に入るって大変ですよね。4月からじゃないからそれまでのやり方をある程度引き継がなきゃならないし、でもどんなやり方してたのかよく分かんないし、どこに何があるかもわかんないし、子どもの言うことはてきとーだし…あは。うちも最近、年休を取った先生の所に一日入ったりするんで、その度におたおたしております。

一学年一学級でなかったら、学年の先生方に何でも(分かっていることでも)尋ねるようにすると、答えるついでにその先生が作ったプリントをもらえたり、前に使った教具を貸してもらえたりするので、時間の節約になることもありますよ。うちなんか、「じゃあその時間は私が入って説明するから、みっぴさんその間うちのクラスでテストの監督しててくれる?」なんてラッキーな方向に話が進むこともあります。

休職ってことは、通知表とか要録までしなくちゃならないんですかね。うわあ、この時期からだとものすごい仕事量になりますねえ。(O.O;)七さんが休職にならないように、休む時はしっかり休んで下さいね!(^O^)
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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