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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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やっと新年1個目の記事を書く気になりました。
皆様あけましておめでとうございます。
って、もう新学期も始まってるんですが(^^ゞ

私は見てないんですが、テレビで先生の多忙さを紹介する番組が放映されたらしいですね。それに関するコメントのページに辿りついて、読んでいるうちに「もしかして、現場以外の人(親やテレビ局の人だけでなく、教育委員会や文部科学省も含めて)に今の教師の仕事内容は正しく伝わっていないのでは」と思ってしまったので、つらつら書くことにしてみました。

辿りついた番組のページはこちら↓
http://www1.ntv.co.jp/action/theme/04/2008/01/post_1.html

コメントの中に書かれていることに意見を言う形で書いてみますね。

……・……*……・……

>教師を煩雑にし、家庭まで持ち帰る事務仕事の幾分かをボランティアでお手伝いできるのでは

こういう考え方はとてもありがたいなあと思います。
ただ…。

>アメリカではサブとして生徒の親が2名、授業中に教室に入り先生の助手的お手伝いをします。

う〜ん、皆さん「先生の仕事は子どもに関わる仕事」という考えがあるのでしょうね。
授業中に入っていただけるのはとてもありがたいのですが、それはあくまでも子どもの力を伸ばすことを考えてすべき事だと思います。また、いくら忙しくても、手間がかかっても、他の人にお任せするわけにはいかない仕事も存在します。

私達現場の者が手伝っていただきたいのは、大抵において「全く子どもに関わらない仕事」です。ここ数年でこの手の仕事がぐんと増えてきているのです。そこをごっちゃにして話をされると、論点がぼやけてしまうだけでなく、かえって教師の仕事を増やす結果になると思うのです。

でもボランティアを申し出て下さる方って、大抵子どもが好きだったり、子どもとのふれあいを求めていたりするので、事務的なお仕事を頼まれるとは思っていなかったりします。そのためにも、どんなボランティアを必要としているのかをはっきりさせなければなりませんね。

>ちょっと思いついたものでは、
>「登校パトロールは地元警察に主導してもらう」
>「父兄の理解を得て下校時間を遅くしてでも休憩時間を広げる」
>「全国の教師と協力して、課題や宿題の作成部分だけでも効率化する」
>「毎日全員を見るのはさすがに負担が大きいので一週間で全員にする」
>「保護者会と称して、親を教育してしまう」
>「モンスターペアレント対策を学校ではなく、市町村の教育委員会にさせる」
>とか出てきました。


■登校パトロールは私達の所では「登校指導」「下校指導」と言います。はい、"指導"ですから、子どもと関わる仕事なんです。外国では門にはいるまでと門を出てからは家庭の責任(だから送り迎えが当たり前だったりする)ですが、日本では昔から子どもだけで登下校するためか、どうも家に着くまでは学校の責任と考えられているようで…。警察とか以前に、この意識が改められて「登下校は家庭で責任を持つ」ことが徹底すれば、登下校指導は必要なくなりますし、心配なら親が送り迎えすればいい、警察でも送迎用タクシーでも頼めばいいということになり、先生の苦労はぐんと減ると思いますね。

■「休憩時間を広げる」は何の解決にもならないですよ。今でさえ休憩時間を削って働いているんですから、子どもを帰してからする仕事を、子どもを残してするようになるだけで、仕事は全く減りません。「子どもが在校している」それだけで仕事が増えるっていうのが一般の方には分からないんだろうとは思うのですが…。昼休み、私達が休憩時間を削ってやっている仕事を中断させるのは「子どもが怪我をした」「喧嘩が起きた」「委員会の仕事で分からないところを子どもが尋ねに来た」「先生と遊ぼうと虎視眈々と構えている」「廊下を走る子どもを注意する」そういった雑事です。子どもが在校していない方が概ね仕事の能率は上がるはずです。もし休みが増えるとしたら、それは教師のためでなく、子どもを思いっきり遊ばせるため(遊びによって学ぶものがありますからね)です。

■課題・宿題の作成に時間をかけないために、市販のドリルやテストを使っていいようになっています。これは購入するのに子ども達に補助金も出ます。それなのにわざわざ作成するのは、学級の実態・子ども一人ひとりの実態に合わせたものを教師が考えて作るからです。最近は教師用の本やインターネットのサイトなどで、学習プリントやテスト・がんばりカードなどが多く出るようになりました。それでも(つまり、現場の先生が作成したものでも)、実際に見てみると「これ、うちのクラスでは使えないや」ということが多いです。それでも、ネットが普及したので、先生方がそれぞれ持っている財産をネットに出し合って共有するというのはとてもいいことだし、これから可能性の広がる部分だと思います。

■「一週間で全員」の意味がよく分かりませんが、課題やノートのチェックということなら、この辺りは先生方それぞれが工夫しているので、特別効率化は図れないと思います。毎回見なければ定着しないものもあるし、ノートを1グループずつ見るとか、毎日見るけどコメントを書くのを週に一回にするとか、何を見るかによっても違いますね。

■「親を教育」できるものならやってほしい。90%以上の親は私達の話に耳を傾けてくれます。電話や連絡帳や懇談会で意見交換ができます。だから、その親たちがどのような考えで教育に取り組んでいるのか、私達も理解し、反省し、共に子どもを育てることができます。連絡帳も学級通信もお手紙も見ない、家庭訪問はすっぽかす、授業参観にも懇談会にも来ない、電話しても出ない、それでいて子どもが家でわがままを言うと学校のせいにして怒鳴り込んでくる。それが「私達が教育して欲しい親」です。どうやって教育しますか?

■ついでに言うと、モンスターペアレントはとっくに教育委員会にも怒鳴り込んでいってます。教育委員会でもノイローゼになるほど頭を抱えている状態です。警察は「事件が起きなければ動けない」立場なので、パトロールなどはしてくれますが、明らかな恐喝の言葉などでない限りお手上げ状態です。

>メディアは、がんばっている9割の教師を取り上げるのではなく、おかしな1割の教師を取り上げ、まるで全教師がそうしているかのように報道されるのがいつも残念です。

うんうん、そうなのよ。あ、これを書いた人は小学校教師の方ですね。マスコミは、報道の責任をもう少し感じて欲しいです。学校外の人達は、どうしたって二次情報しか得ることができないのですから。

>卑猥なビデオを撮影してそれを売っていた教頭先生とかHPに児童の裸の写真を掲載していた先生いましたよね。そういうことをする時間のある先生とシーツを換える時間もないくらい忙しいという先生がいるというのが不思議です。

ほら、二次情報しか得られない一般の方はそう考えちゃうんですよ。学校の中に、仕事そっちのけで犯罪を犯している先生が半分、寝る時間も削って働く先生が半分、という図式ができあがってるんです。そんなわけないじゃないですか。例えば某県内で一日に殺人事件が3件あって「連続殺人」などとニュースになったとして、一日に3件(殺人犯3人)がすごく多く感じるかもしれませんが、県の人口数百万人のうちの3人なんですよ。成人だけを考えても何十万分の一程度です。そのニュースを何度も何度も耳にしているために「某県は殺人犯がうろうろしている」と感じてしまっているのと一緒じゃないですか。誰だって自分の県をそんな風に言われたら自分が殺人者だと言われたようでいやでしょ。私達ふつーに仕事をやってる教師とそーいう阿呆をいっしょくたにしないでほしいです。

>VTRを見ていて、事務処理が多いのが多忙の原因の1つと理解しました。
>結論としては だいちさん のご提案と同じです。
>改善案として 
>(1)採点をする事務員を数クラスに1人つける
>(2)担任は確認後、コメントをつけて生徒に返却
>(3)事務員の方の予算については、先生方の残業代を回す
>とすれば担任の先生の負担は軽減されるのではないかと考えますが
>いかがでしょうか。


んー、だから。採点は事務処理じゃないんです。(×_×;)教務、と言えばいいかな。
教育活動のために必要な仕事なんです。
例えば、算数の問題。正当と違う答えを書いている。その場合、
 ・誤答なのか、別解なのか。
 ・誤答だとすれば、問題が読み取れていないのか、読み間違えたのか、数を写し間違えたのか、計算ミスなのか、かけ算九九を覚え間違えているのか、適当に問題の数字を書いたのか、近くの子が同じ間違いをしていなかったか(つまりカンニングをしたりされたりしていないか)、計算は合っているのに位取りを間違えたのか、それ以外か。

正答の場合でも、
 ・字は読みやすいように丁寧に書けているか。
 ・定規を正しく使えているか。
 ・書き順を間違えて覚えている字がないか。
そういったことに気を付けながら採点し、場合によっては記録を取っておいて、間違い直しの時に子どもに伝え、同じ間違いがないように努めるわけです。また、どの子も同じような間違いをしている場合は、自分の授業が悪いことが考えられますから、どのようにすればしっかり身につけさせられるか授業の組み立てなどを考え直すことになります。
こういった分析をしなくて良い場合(計算だけ100問など)は外部に任せてもいいのですが、それなら子ども同士でも○付けができますので、練習問題程度でしたら子ども同士交換して○付けとしている先生は多いです。これだと、子どもが自分で間違いをすぐ分かりますし、自分で勉強するやり方も理解できますからね。つまり、外部に任せるメリットはあまりないです。

>夏季・冬季休業を短くしたら、授業時数の確保が楽になりませんか?

そうですね。6年まで全校児童が毎日5時間授業で帰れるのでしたらだいぶ楽になるかも。そのためには、今より週の時数を4時間減らすことになります。今およそ40週で組んでいますので、単純計算して4×40÷5=32で、今より32日休みを減らしたらいいことになります。今うちの近くは夏休みが40日程度、冬休みが14日程度ですので、夏休みをそれぞれ10日程度にすればできますね。

でも、夏休みって何のためにあるんでしたっけね。最近温暖化が進んでどんどん気温が上がっている時に、エアコンの設備なしで夏休みを減らして授業して、子ども達身に付きますかね。今でさえ7月9月は授業にならない日が多いのに。

それに、忙しい教師がやっと夏休みに時間を取ってやっている、授業研究・研修の時間や、ペンキ塗りとか大掃除・ワックスかけの時間、予算の少ない中で購入している教具の修理や手作りの教具の作成の時間などは、ぐんと削られてしまうのでしょうね。

というわけで、私自身の結論としては
「外部委託できる仕事とそうでない仕事をはっきりさせること」
「外部委託する仕事は子どもに関わらない仕事であることを理解していただいた上で協力者を募ること」
です。

長くなったので、
・どんな仕事が外部委託できそうか
・今ボランティアで入っているものがどれだけ先生方に負担を掛けているか
・どのような外部委託が望ましいか
などは、次の記事にしたいと思います。

【小学校の学級担任の仕事は○付けばかりだと思われてるのかしら?(2)】に続く


…… コメント ……

2008/1/22 5:58 投稿者:笑子
新年初記事にさっそく反応してしまいました。今年もよろしくお願いいたします。いつも読ませていただきながら、自分自身を振り返ります。今回も。
採点するのが確かにたいへんだと思いつつも、仕事上絶対に必要な部分で、これを誰かにお願いするのなんてやっぱり考えられないと思う。
学級の子どもを育てていくって、いろいろあって大変なんだと、少しだけでいいからわかって欲しいと思いました。
採点する人をふやすのは簡単だと思いますが、それ以前に教師が安心して仕事に取り組める環境作りに力を注いでもらいたいです。
教員評価制度とか学力テストの点数を競わせたりするような傾向が、子どもを育てることに必要だとはどうしても思えない。一回先生やってみたら?と言いたいです!


2008/1/23 22:40 投稿者:みっぴ
笑子さん、いらっしゃいませ!今年も楽しくやりましょう♪
学力テスト、きっと考えついたのは素人さんですね。小学校の頃の学力が点数で測れないって事、保護者やマスコミなどに理解していただけないのなら、小学校で学期ごとの評定や評価(いわゆる通信簿)は必要ないと思います。

でも、校長先生の中にもそういうことがわからずに平均点を上げようと躍起になってる人がいるんですってね。可哀想なのは子どもですよホント。
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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