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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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3部作の最後は、「教師は○付け以外にどんな仕事をしているのか」です。
私が担任を持っていた時の一日を考えながら書いてみます。

……・……*……・……

〜朝〜
大体7:30〜8:00くらいに学校に着きます。
職員室に入ると、出勤簿に印を押して、黒板に書いてある今日の日程の確認。
席に着いたら、前日自分が退勤した後に配られたいろいろな資料が机に載っているので、目を通して整理します。
今日の授業の時間割りと準備するものを確認。
プリントなどはできるだけ前日までに作るように心がけていますが、間に合わず朝どたばたと印刷することも多いです。

8:00前あたりから職員室の電話が鳴り始めます。欠席などの連絡です。
学校には電話が2回線しかありません。何百人子どもがいようが、2回線です。
できるだけ欠席は連絡帳やお手紙を預ける形にして欲しいです。
で、その日社会見学や遠足に行くためのバスを頼んでいる場合、ちょうどこの時間帯にバス会社との確認の電話をするようになっています。雨が降ったら延期になったり、昼食場所が変更になったりしますものね。

委員会の子達は始業前に清掃などの仕事をすることが多いです。自分たちでできるようにしてはいますが、ちゃんと仕事ができているか見回ることもあります。また、音楽会などが計画されている時は、朝練の指導が入ってくることもあります。


〜始業〜
うちの始業は8:30です。子ども達の朝の会が始まる時刻です。(実は先生の始業も同じ8:30)
子ども達はそれより前に学校に着いて、ランドセルから道具を出して片づけておかなければならないのですが、なかなかそううまくはいきません。

健康観察で、子ども達の出席と健康状態の確認をします。観察簿は、教師が呼名して教師が記録することになっていて、係の子などにはさせられなくなっています。で、来ていない子にはすぐ電話を掛けて欠席かどうか確認を取ります。…って、教室は大体2〜4階で、電話は1階の職員室からしかかけられないので、教室に子どもを残して1階に降り、電話をすることになります。それでも連絡が付かないとか、家を出たと言っているのに学校には着いていず、門から迎えに出てみたり、留守電に入れていたら折り返し電話がかかって、寝起きの声のお母さんが「具合が悪いので少し遅れます」とか。何とか連絡が付いて教室に上がります。

子ども達が朝の会をしている最中に、急いで連絡帳に目を通します。体育を見学させることが書いてあったり、給食後すぐに迎えに来ると書いてあったりするので、時間がなくても、朝一番に全員の分に必ず目を通しておかないといけません。時間があれば検印、お返事などを書きます。たまに「昨日泣いて帰ってきた」とか、「隣のクラスの○○君が」とか困ったことが書いてある場合、早めにコピーを取って学年の先生や校長などに相談することがあります。

あ、そうそう。
集金を持ってきている時は、必ず朝子どもを並ばせて、中身を子どもの目の前で出して確認しながら集めます。子どもがお金を抜き取りたい誘惑に負けないように。(でもこれ、けっこう時間がかかります)

週に2〜3回、この時間に「職員朝礼」とか「職朝」とか言われる、朝の連絡会が行われます。5分くらいの間でばたばたといろんな連絡があって大変です。でも、ここで今日子ども達に指導しなければならない内容などが出るので、メモして教室に上がり、子どもに伝えます。


〜授業(1・2校時)〜
授業開始前(または始まってから)、たいていの先生は子どもの忘れ物に振り回されます。
「先生、教科書を忘れました」「ノートを忘れました」に始まって…。
作図の授業なのに定規を持ってきていない。
鉛筆・色鉛筆が全部折れている。
毛筆の授業で習字道具を忘れている。
発表の練習をしなければいけないのに原稿を家に置いてきている。
朝あったはずの計算ドリルがなくなって探すのに時間がかかっている。
筆箱に鉛筆も消しゴムも入っていない。(机に直接放り込んでいる)
あげくに
…まだランドセルから教科書を出していない。(´ヘ`;)ハァ

そういう忘れ物にも全て対応して、やっと授業です。


〜中休み〜
中休みは15分です。3校時前の準備の時間を入れると20分です。
その間に、たいていは宿題のチェックをします。
出しているかどうかは日直など子ども達でもチェックできますが、漢字は正しく書けているか見ないといけませんし(子どもは思いこみで間違いを見のがすことがある)、音読などおうちの方のチェックが入るものは、子どもが自分でサインをしてくることがあるので、それを防ぐためにも自分でチェックします。

(「そういう、子どもが誘惑にかられるような宿題は良くないのでは」という方もいらっしゃるかもしれませんね。学年で宿題をある程度揃えているので、こういう事もあるわけです。その辺は今回の記事のテーマとはズレるので、スルーして下さいねー。)

終わったら、一度職員室に降りて、一応Tea Timeです。
でもこの間が、貴重な学年会の時間。
「3時間目体育館で跳び箱使うでしょ?そのままにしておいて、4時間目使うから」
「さっき子どもにこのプリントさせたら、ここが難しかったみたいだから、一度説明してからの方がいいみたい」
など、次から次へと話しながら、また届いた書類に目を通し、回覧物は印を付けて次に回し、子どもが提出したPTA総会の委任状を教務に渡し、教材やさんの集金が来たらお金をまとめて払い、次の時間に必要なものを準備し、中休みに活動している委員会の子を見て回り、怪我をした、喧嘩をしたといっては職員室に来る子どもの話を聞き…そうこうしてるうちに中休みは終わり。教室に上がります。


〜授業(3・4校時)〜
ここでは、外部からのゲストティーチャーが来たことを考えてみましょう。

・英会話活動や総合的な学習などで、その道の達人に授業を進めていただくタイプのゲストティーチャーの場合
ゲストティーチャーの方とは事前に、来ていただく時間や、学習内容などを打ち合わせておきますが、その時間はここには入りませんね。ゲストティーチャーによっては、ラジカセを準備して欲しいとか、今回はボールを使いますだとか、子どもにはさみと糊を準備させておいて下さいだとか、いろいろあるので、そういうのも準備しておかないといけません。英会話活動の場合、子ども達にはローマ字で書かれた名札を付けさせることが多いです。ネイティブの方だと、日本語を話せても読み書きは苦手という方はけっこういらっしゃるので。低学年の子に自分の名前をローマ字でいきなり書けというのは無理なので、こういうのは教師の仕事になります。まあ、一回作っておけば一年使えるのでいいでしょう。

当日は校長室などに待機していただき、子どもが迎えに行ったり、教師が迎えに行ったりします。子どもが迎えに行くようになっている場合は、誰が行くかを決めなければなりません。適当に決めていると同じ子に偏った場合問題ですしね。保護者ボランティアの場合は直接教室に来ていただくこともあります。

授業中は進行を任せて安心、とはいきません。その道のプロであっても、授業のプロではない場合が多く、「くどくど話して子どもが退屈する」「時間配分がまずくて活動が終わらない」「子どもがふざけたりした時など、ちょっと進行をストップして注意する、ということができない」などの事態が起きてきます。同じ人が何回も来て慣れるまでは、ハラハラドキドキの一時間です。

・学生ボランティアや保護者の方などに、授業の応援に来ていただいた場合
人数が多い時は、子どもと一緒に椅子の用意をしておきます。また、たいていの場合教室は子ども達の机と椅子で一杯なので、来て下さった方が座りやすいように、机の配置を考えることもします。

授業はこちらで進めるのですが、子ども達とゲストティーチャーと両方に説明しながら進めないといけないので、自分が二人いるといいなあと思ってしまうことが良くあります。

「昔の遊びをおうちの方に教えていただいて一緒に遊ぶ」というような場合、学習のめあてなどは事前にお話ししてあるのですが、おうちの方が夢中になって子どもそっちのけで(または子どもがうまく行かないと取り上げて)遊び始めてしまい、子どもが呆然と見ているということが起きたりします。これを、おうちの方の気分を害さないようにうまく子どもの活動に引き戻すのって、けっこう疲れます。

逆に、子ども達がめあてをはずれておうちの方にじゃれついたり、関係ないことを始めているのに、おうちの方がうまく子ども達に注意できずにずるずると時間だけが過ぎていくということもあります。学生ボランティアの場合はこちらが多いですね。

そうそう、学生ボランティアさんが、当日朝いきなりお休みの電話を入れてくるのは割と良くあります。人によるかもしれませんが、やはり教える側として授業に参加する以上は責任感を持って欲しいなと思いますね。グループ分けしている場合など、人数が変わるとグループ編成をし直さなければならなくなったりしますしね。

ボランティアとかサポーターとか言いますが、これはあくまでも子ども達の学習をスムーズにするために来ていただくのであって、教師の仕事を減らすために来ていただくのではないし、こういうボランティアやサポーターでは教師の仕事は減りません。かえっていろいろ細かな仕事が増えますね。


〜給食〜
みっぴの今までの経験だと、一年生でも6月を過ぎる頃から給食の準備は自分たちだけで何とかできるようになるので、給食の時間は、子ども達の配膳の様子や、席で待っている様子を観察しながら、連絡帳の返事を書いたり、音読カードや水泳の参加カードに印を押したりといった時間にあてることができる…はずだったのですが、最近は「必ず担任が給食当番を引率して給食を教室まで運ぶ」「熱いものは子どもにやけどをさせないように担任がつぎ分ける」といった方向になってきたので、給食指導でなくて給食準備そのものを担任がやってる気分です。おまけに、残滓を残さないように指導しなければならないので、おかわりを呼びかけたり、偏食の子に声を掛けたりします。

それが済んでから、自分の給食は5分くらいで食べ終わり、子ども達が食べている最中に連絡帳などの仕事を済ませます。

片づけの前には、だらだら食べている子や偏食の子に声を掛けて時間内に食べるようにさせ、片づけの後はまた給食室まで子どもを引率していきます。最近は牛乳パックを洗って乾かし、リサイクルする学校が増えてきたのですが、低学年は、パックをきれいにすすぐのや、パックを切り開くのがけっこう難しい。結局担任がほとんど手伝うことになってたりします。

〜昼休み〜
片づけが大体昼休みの時間に食い込むので、正味30分くらいの昼休みですが、それもいろんな仕事で潰れていきます。

・教材屋さんにお金を支払う
・事務の先生に必要な教材や事務用品を頼む
・教材の集金のためのお便りを作る
・校外学習のための申請書を書く
・出張のための書類を書く
・今日配布するプリント類を確認して教室に持って上がる
・早退した子の連絡を兄弟(またはその担任)に預ける
・教材屋さんに電話して教材を頼む
・委員会の子ども達の指導
・子供の喧嘩や怪我のお世話


〜掃除〜
うちは昼休みの後子ども全員で掃除です。(小学校で掃除当番だけ下校時刻が違うって学校あるのかな?)掃除区域を分担しているので、自分のクラスの子が教室だけでなくトイレや特別教室などを掃除している、そこに指導に回ります。高学年になればなるほど我がクラスの子があちこちに分散しているので、指導はなかなか難しいです。


〜授業(5・6校時)と帰りの会〜
低学年は5校時までですが、3年以上は6校時まで授業があります。3年だと週2〜3回くらいかな?5・6年は週1回5校時で、あとは6校時まであります。今度の指導要領改訂で、多分毎日6校時までになるんじゃないかなーと思います。6校時まで授業をして帰りの会をして下校すると、下校時刻は4時頃になります。

帰りの会では、一日を振り返って、めあての反省をしたりするほかに、家に持ち帰るプリントの配布をしたり、宿題や持ってくる物を連絡帳に書かせたりということもあります。時間がかかるので、プリントの配布などは給食準備中にしておくという先生もいます。連絡帳に書くのはけっこう字を書く訓練になるので、この時間に、日記代わりに子どもにその日の事を書かせている先生もいます。

子ども達が下校する時に、交代で学校の周囲に立ち、下校指導を行います。場合によっては、通学路をパトロールして戻ってきます。4時に下校する子ども達に合わせてパトロールすると、戻ってくるのは4時20分くらいです。


〜会議〜
下校指導から戻ってきたら、すぐ会議です。週に1日だけは5時間で子どもを帰して3時40分から会議ができるので、その時は職員会・授業研究に関する会議・人権学習に関する会議等を行います。それ以外は4時20分から校務ごとの代表者会議(生徒指導部会や授業研究部会・人権教育部会・特別支援委員会・学校評価委員会などなど)や、学年研修会での授業の打ち合わせなどを行います。たいていの場合、退勤時刻の5時15分を過ぎます。


〜勤務終了後〜
やっとここから自分の時間になります。といっても、学年の先生と打ち合わせをすることが多いです。プリントの○付けをしながら、または学級通信を書きながら、または時間割りを作成しながら、または掲示板のタイトルを作りながら、見学のしおりをどんな風に作るかとか、図工の仕上げに使う画材はどんなのがいいかとか、国語の学習プリントはどんなのを使うかとか、自作するなら誰が作るかとか、給食週間で給食の先生に書くメッセージは学年としてどのような方向性で行くかとか、総合的な学習で体育館を使いたいので当日使用する学年に相談して代わってもらおうとか、それはもういろいろなことを同時進行で話し合いながら仕事を進めていきます。

この後どこまで残って仕事をするかは先生によって違いますが、早く帰る先生も仕事を持って帰って家ですることが多いようです。私は今専科なので、6時30分〜7時くらいには学校を出ていますが、皆さんその後もかなり残っていらっしゃいます。

だって、一日の中に、翌日の授業の準備の時間もないし、各教科の教材研究の時間もないんですよ。翌日授業をするためには、算数だったら「一時間で教科書をどこまで進めるか」「子どもにどんな活動をさせるか(発表・話し合い・具体的操作・ノート・プリントなど)」「どんな発問で子どもに考えさせるか」「どの教具を使うと理解させやすいか」「今まで学習したどの単元と関わりを持たせるか」「つぎの学年のどの単元に繋ぐか」「子ども達ができたかどうか何で評価するか」そういったことを考えておき、それに必要な物を準備しておかなければなりません。資料室から教具を出して人数分あるか確かめたり、黒板に貼るグラフや図形を拡大コピーしたり、学習プリントを印刷したりといったことをする時間も必要になってきます。

小学校は全教科ありますから、それだけの時間が本当は必要だし、この教材研究が本来の教師の仕事の準備なわけで、この仕事が一番優先されるべき仕事のはずなんですけどね。


さて、教員の一日の仕事を書いてきましたが、この中のどの部分を外部委託できるでしょう?一般の人が考える「お手伝い」は、教師の仕事を減らすという観点ではほとんど手伝いにならないことが分かっていただけるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。


…… コメント ……

2008/1/27 9:05 投稿者:ぴの
お初におじゃまします。

私は中学教師です。妻は小学校教員。
小学校も、つまりまくりですねぇ。

私が最近アイデアで持っているのは、副担や教師を増やす予算で、学年事務職員or授業なし担任をやとってほしい。授業はいくら多くてもいいけど、事務仕事に忙殺されて教材研究が経験でごまかされてしまう状況からの窮余のおもいつきです。

みっぴさんの場合でしたら、給食指導、欠席連絡くらいかな、外部委託できそうなのは。
いっそのこと、行事類をすべて外部委託できたら……


2008/1/27 17:07 投稿者:かつのり
お昼ご飯を食べるのも仕事なんですよね。
学校がゆとりでひまだと誤解している人もいるようですが、とんでもないことです。
人を増やして空き時間を作ることだと思います。もちろん「空き」と言っても休みではないです。事務仕事や授業準備をするわけです。


2008/1/28 22:43 投稿者:みっぴ
■ぴのさん
「授業なし担任」っていいですねえ!朝健康観察して、授業中は来てない子の連絡とか、連絡帳や宿題の点検とかして、給食や掃除の指導して、帰りの会して子ども達を帰す。一方で「授業のみ担任」がすべての授業を引き受ける。…いいなあ。でも、先生が今の倍必要なのね。
(´ヘ`;)ハァ

中学校の先生も部活の顧問とか生徒指導とかで大変なんでしょう?お疲れさまです。
部活や小学校のクラブなんかも外部委託できるといいんですけどねー。

■かつのりさん
こちらまで来て下さってありがとうございます。
「人を増やす」…そうですよね。最近の文科省とかは、肩書きは増やすけど、人員配置が全然ですもんね。非常勤でもいいから、教員を増やして欲しいです。わけのわからない(仕事を1から教えないといけない)「社会人先生」とかじゃなくて…。


2008/1/29 19:28 投稿者:ぴの
部活の件ですが、教育課程にないものを、中学教育の中心化のように考える人が多く、させられている実態もあり、とっとと外部委託というか社会体育化してしまえばいいのにという極論の持ち主です。野球部は趣味でやってますが。


2008/1/30 19:20 投稿者:みっぴ
■ぴのさん
うんうん、部活の社会体育化、大賛成です!
学校の部活は、先生が異動するたびに存亡の危機を迎えてしまうでしょ。やってる子ども達にとっても大問題ですよ。社会体育での活動なら、そんな心配はないですからね。
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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