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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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今年、うちの学校は何だかすごい。
この学校に来てもう○年になるけど、やっとここまで来たって感じです。
研究発表とかするおかげで、今まで評判だけが先走っていて、実は私が転任してきた時、子ども達はひどい状態だった。

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赴任式で、新しい先生方が壇上にいるのに、私語が止まない。
それなのに、先生方は誰一人注意しない。
たいてい赴任式や始業式には校歌を歌うのだけれど、
ついさっき聞いてきた前の学校の半分も声が出てない。
それなのに、先生方は「きれいな声」だと自慢する。
…そういう、勘違いも甚だしい状態だったんです。

それが、今年は違う。
このまえの全校朝会の日、まだ始まっていない体育館に入っていくと
全員が一言も喋らずに座って開始を待っている。
指示があって全員が黙って静かに立ち、朝会が始まる。
叱られるのが怖いからやってるんじゃないです。
その証拠に、校長先生の話にいちいち反応する可愛い1年生もいるし、
生徒指導の先生のジョークに爆笑する高学年のみんながいる。
校歌も、みんな大きな声で、体でリズムを取りながら歌っている。
しかも低学年からきれいな頭声的発声。(今の学習指導要領ではここまで要求されないけど)
そして、終わったらまた黙って静かに教室に戻る。

なぜこれが今年できるのか。今までと何が違うのか?
おそらく、一人一人の先生の「意識」が違うんだと思います。
異動やなんかで、やっと「そういう意識を持った先生ばかりになった」ということなんだと思います。
先生方は、何百人の中のたった一人のお喋りが全体の気のゆるみにつながってしまうことを分かっているから、そのきっかけになる「一人」を許さない。
「一人くらいいいだろう」
「あの子には無理だから仕方ないだろう」
と考えない。
「その子なりの指導の仕方があるはずだ」
と考え、一人ずつていねいに指導していく。
うちにはADHD判定を受けた子も何人もいるし、アスペルガーの子もいます。
でも、彼等もきちんと黙る時は黙り、歌う時は歌っている。
そして、先生方の話をしっかり聞こうとしている。
(聞き取れたかは別としてね(^^ゞ)

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算数などで一年生の教室に入っています。
一週間前と今と、子ども達の姿勢が全く違う。
入学時の緊張感は取れているのに、とても姿勢がいい。
指示をよく聞いて、一つひとつていねいにこなしていく。
いい子ばっかりじゃないです。友達に意地悪をしたり、できないとすねたりする子がいっぱいいます。
でも、先生方はどんどん子ども達を褒めて、のせていく。
「○○くん姿勢がいいね!」
「もう教科書を開けたね!早い!」
「○○さんの聞き方がいいね!おへそがちゃんと○○君の方に向いている」
「いい返事だね!」
「手をまっすぐにして、黙って挙げてるのがいいね!」
子ども達は、学習の仕方をぐんぐん吸収していきます。

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あと少し…と思うのが、職員室に入る時。
「○年○組の○○です。○○先生に用があってきました。入ってもいいですか」
9割以上の子どもはこれが自然に出る。
確かに、言わされているのだけれど、こういう言い方がなじんだ子ども達は
「あ、○○先生は今日出張だよ」
なんて他の先生にいきなり言われても、
「それじゃ、また明日来ます。ありがとうございました」
という言葉が何気なく出てくるようになっています。
コミュニケーションがスムーズにできる素地が自然と作られていると思います。

1割弱の子が、
「せんせー、○○ちゃんがねー」
とドアの外から叫んで、呼ばれた先生が
「はいはい、外で聞くからちょっと待ってて」
と出ていくのが…いやだ。
何で言い直させないんだよ。今しないから、今度来た時に何も言えなかったり、
「○○先生はいらっしゃらないよ」
と言われて黙ってどこかに走っていったりするような奴になるんだ。

幸いなことに、これについては他の先生が気づいたらきっちりやり直しをさせているので、全校朝会と同じように、おそらく1学期の間にこんな子はいなくなるだろうと思います。が、これを許している先生がいて、これが許される学級が一つあるというのは…惜しい!

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で、このすばらしい状態は今年一年だけだろう、と思う。
来年の3月でおそらく校長先生は異動だろうし、その他に主要な先生が3人、今年限りで異動になる。
その次の年には、研究主任級の人が3人以上異動になる予定だ。
後から入ってくる先生がどれだけ「低学年からのきちんとした学習指導の重要さ」を感じてくれるかで今後が決まると思うのだけれど…たぶん、難しいだろうな。

他のブログで、「一年生に一学期の終わり頃から発表の型を指導したそうです」とびっくりしたように書かれているのを見ましたけど、うちは入学した次の日からどの学級も発表の型を教えています。
一ヶ月経って、型を見ながらではありますが、「です」「ます」で話すこと、「同じです」「わかりました」「にています」の返事、「他にもあります」「前に出て話します」、黒板に貼られたものが見やすいように脇によって指しながら説明するなど、どんどんできるようになっています。

この一年生の変貌を見ている先生(実感している先生)がどれだけいるかな…。
この「低学年での学習の構えづくりの大切さ」が分かっていない先生が、もし低学年に入ってきたら、もううちの学校は「アウト」なわけですよ。

うん、やっぱり、今年異動するのが正解みたいだ。o(≧▽≦)o
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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