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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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いつも爆笑しながら読ませていただいてるブログ「お嫁様は宇宙人」に、ここにぴったり?な話題「小学校入学前にやっとく事って?」があったので、このテーマに便乗させていただこうと思います。
1.小学校前にひらがなの読み書きをさせなくていいという学校側の真意
 (つか、みっぴの真意)
2.小学校前にできるようになっておいてほしいことその1(お子様編)
3.小学校前にできるようになっておいてほしいことその2(おうちの方編)

書いてるうちにま〜た長くなったのでこんな感じで3部作。
(後日註:3番目はちょっとまとまらなかったのでアップをあきらめました。すみません。)

1.小学校前にひらがなの読み書きをさせなくていいという学校側の真意
 (つか、みっぴの真意)


■学校でひらがなを教えることになっている
 これは皆さんもご存知の通りです。一番大きな理由はここですね。現在の日本での学校教育は6歳からとなっています。本当は教師達も「もっと小さいうちからさせることができればなあ」と思っているかも知れませんが、法律では6歳からが小学生で、幼稚園教育要領には「文字に興味関心を持つこと」としかないんですから、小学校に4歳や5歳の子を連れてきて学習させるわけにはいきませんよね。それで、小学校にあがるとすぐ、ひらがな・カタカナを1から学習するという教育課程を組んでいます。

 逆に、入学説明会などで「ひらがなくらいは書けるようにしておいて下さい」なんて言う学校は私からすると要チェックです。先生方が、教育課程通りにきっちりカリキュラムを進める気がないかもしれないからです。(ひらがなカタカナをきちんと教えるのはけっこう時間がかかるし、教科書も教えないといけないので、ひらがなくらいすっ飛ばしたい気持ちは分からなくもないですけどね、指導要領で決まっている以上、それを保護者に公言するのはどうか…ということです)

■それまでのレディネスはあるはずである
 では、全て小学校に上がってからでいいのか?実はそう単純に考えていただいては困るのです。
 どなたもおそらく中学に上がった時に同じ経験をしていらっしゃると思いますので思い出してみて下さい。数学で、「整数」「自然数」を学習した時、「なんだこれ?小学校1年生の問題みてーだ」「マイナスとかなってるだけじゃん」「まあ言葉はちょっと難しくなるけど、計算問題とか楽勝〜♪」と思いませんでしたか?国語で「かろ・かっ・く・い・い・けれ・○?こんなん覚えなくても『大きい』の過去形を『大きいた』なんて誰も言わないよな。『大きかった』とかふつーに使えてるし。でもまあ過去形とかの言葉は覚えとかないとなー」なんて思いませんでしたか?この感覚が本来小学校1年生で味わう「学習への感覚」だと思うのです。

「これ知ってる!」「かんたんかんたん!」「そうそう、『め』と『ぬ』は似てるんだよね、間違えないようにしなくちゃ」「へえ、ここのところ、まっすぐじゃなくてちょっと曲げて書くんだ」「じゃあ、こっちの字もちょっと曲げた方がきれいなのかな」…etc.子ども達は、それまでの生活経験で得た知識を、小学校の授業という枠の中で整理し、改めて自分のものにしていくのです。それができると、新しい事柄に出会った時に、自分の今までの整理された知識と比較することで、教わらなくても自分で答えを導き出すことができる。子ども達は、学校で「知識」だけでなく「学び方」も学んでいるのです。

「学び方」を学べるようにするためには、ひらがなを「学校で初めて書いたり読んだりする記号」にせず、「今までに読んだり書いたりしたことがある記号」くらいにはしておく必要があります。そして、学校で「あの記号はボクの名前だけじゃなくて、動物の名前にも使うんだ。じゃ、この時も使えるかな」「『は』には読み方がいろいろあると思ったけど、読み方の決まりがあるだけなんだ。じゃ、この文では『わ』と読むんだね」というふうに、系統立てて自分の頭で整理し、応用する。そうなると、子どもは、自分の身の回り全てを題材にして、いつもどんな時でも自分から学んでいくことができます。

ところが…。

■入学前に言うとどうなるか
 もし、入学説明会などで「入学までにひらがなの読み書きくらいはある程度できるようにしておいて下さい」と言ったらどうなると思いますか?
 だいたい想像が付くと思いますが、おうちの方がご自分で、もしくは幼稚園や保育園に頼んで、もしくは塾や家庭教師に頼んで、ひらがなを躍起になって教えることになります。「あと○か月でひらがなを書けるようにしないと!」ってなっちゃう。
 既に保育園などでしてしまっているところも多いのが、小学校の授業と同じようにノートなどにひらがなの練習を延々とさせるタイプ。ちゃんと書けていないと消しゴムで消されて子どもが泣きながら書き直したり、宿題がたくさん出てそれをこなそうとするあまり乱雑な字になったり…。まあ、たいていのご家庭でそうなることでしょう。
 子どもは、「ひらがなきらい!お勉強もきらい!!」の状態で小学校に入学してきます。その尻拭いをするのが小学校の先生です。やってられませんよね。

■本当はどうして欲しいのか
 では、本当はどうなることが理想なのか、ということを、ひらがなを含めた文字に限った状態で書くことにします。実は計算などについても同じことなので、当てはめて考えていただくと良いと思います。

 子どもが字を読める、書けるつもりで子どもと話をしてみて下さい。実際に読んだり書いたりするのはおうちの方でいいんです。それを見ることで、子どもは「読む」「書く」の疑似体験をします。

 例えば、子どもが買ってきた石鹸の箱を指して「ママ、これなあに」と言ったとします。子どもは字が読めないから分からないのですが、大人なら字をみて判断しますよね。ですから、「石鹸よ。お菓子じゃないから食べちゃダメよ」ではなく、「箱に書いてあるでしょう。(指で石鹸の字を押さえて)ほら、ここに『石鹸』って書いてあるから、これは石鹸ね。ここには『SOAP』って書いてる。石鹸は英語でソープって言うんだったわね。あら、いい匂いもするわね、この匂いはお菓子じゃないから食べちゃダメね…」なんて、大人がどういう情報を元にどう判断するのか、そのまま子どもに伝えるだけでいいんです。子どもはそのままその情報を脳にインプットできます。

 例えば、子どもが絵を描いて、「これはパパ。こっちがおばあちゃん」なんて言ったら、「上手に描けたわね」という言葉と一緒に「パパに教えてあげられるように、名前を書いておこうね」「こっちが『パ』『パ』、こっちが『お』『ば』『あ』『ち』『ゃ』『ん』」と、ちょっと横に書いてあげる。子どもはそれを見ながら、「おばあちゃん」の「ちゃ」は「ち・や」の2文字で形成されるのだということを何となく脳にインプットしていきます。

 子どもが文字を書き始めた時、鏡文字になることがあります。それは当たり前のことなので叱らない。「これ逆になってるよ、書き直そうか」と言えばたいてい同意するので、消しゴムで消してやればいいことです。できなかったら薄く書いてやってなぞらせればいいことです。それでもできなかったら「こんどはできるよ」で終わればいいことです。

 あいうえおがひとつひとつばらばらに書かれた積み木やブロック、パズルのような板などが玩具としてありますね。ああいうのを使って言葉遊びをするのもいいですよ。1セットだと、同じ文字を2回使えないので、2〜3セット同じものがあると遊びが広がります。2個目は買うのでなく、子どもに書かせるのも手ですね。逆に、同じ字は使えないとするのも面白いです。

 絵本を読んであげることがありますか。その時、子どもを膝に座らせて、本の字を押さえながら、文節で区切ってゆっくり読んでいきます。全部を押さえながら読むのは大変と言うことでしたら、表紙の題名だけでも構いません。子ども達はとんでもないところから字を覚えていきます。例えば、「むかし話シリーズ」の「話」という字に付いているふりがなの「ばなし」をひとまとまりとして覚えてしまう。「おじいさんがいました」「おににであいました」の「した」をひとまとまりとして読めるようになってしまうなどです。自分と同じ名前の作者の名字に使われている漢字を読めるようになる、なんてのもあります。

 こんな感じで、子どもの日常生活、身の回りのいろんな所でインプットの機会を与えてあげて欲しいのです。ここまで読まれた賢いお母さん方はおそらく、「私そういえば保育園の送り迎えに花の名前とか虫の名前を言ってるけどあれもそうかしら」「あのおもちゃは使えそうだわ」などと日頃の生活が思い浮かんだのではないでしょうか。子どもは、勉強しているという気持ちではなく、遊んでいるという気持ちで、自然にいろいろなことを吸収していきます。ばらばらでいいんです。50音のうち、いくつか抜けてたって構わないんです。片仮名や漢字が先でもいいんです。「知ることを楽しむ」ということが一番なんです。

 ただ、おうちの方はできるだけ正しい知識を伝えていただきたいです。自信がなかったら子どもと一緒に調べればそれでいいです。(つか、それがいいです。子どもは調べ方も覚えられますから)ひらがなで言えば、書き順と字の形ですね。「ら」を「5」のように真ん中の棒から書いたり、くせ字で「お」の点を下の曲がったところに引っかけて書いたり、「わ」の2画目を1画目に重ねずに「ゆ」のように書いたりしていると、子どもはそれをそのまま真似します。数字の書き順は「5」「8」「9」「0」が正しく書けない子が多いですね。一緒に調べたり、練習したりすると言うのは子どもはとても喜びますから、是非お願いします。(^-^)

……・……*……・……

 さて、ひらがなは遊んでおけばいいことが分かりましたが、それでは入学まで他には特に何もしなくていいのかというと、実はさにあらず〜なんですね。
 次回は、「2.小学校前にできるようになっておいてほしいことその1(お子様編)」をお送りします。お楽しみに〜。(^O^)


…… コメント ……

2009/6/16 11:22 投稿者:まーくん母
こんにちは。またまたお邪魔してます(笑)
うちの子の小学校では
「ひらがなの学習は心配しないように・・」との説明でした。
私は、そのまま受け取りました(笑)
親が勉強を教えるのは本当にお互い(親子)にとって多大なストレスだ・・と、いうことを身をもって上の子で知ったので(笑) 
あえて 下の子は放任してます・・
あ、宿題はみてますが。 
ところで疑問ですが、
あまりにも個人的な勉強を先走ったら 
「学校の勉強がつまらなくなる」→「集中しない」→「だらける」・・?と、いうイメージがあるのですが 現場はいかがなのでしょうか?


2009/6/16 21:59 投稿者:みっぴ
■まーくん母さん
またまたいらっしゃいませ(^O^)
そうそう、勉強を教えるとなったら怒鳴り合いの取っ組み合いになるかもしれませんものね。遊びがいいんです、遊び。うふふ。下の子は上の子が勉強するのを見てる分、環境的には有利なはずですよ。国語の音読とか一緒に覚えたんじゃないかな?

>あまりにも個人的な勉強を先走ったら 
「学校の勉強がつまらなくなる」→「集中しない」→「だらける」・・?と、いうイメージがあるのですが 現場はいかがなのでしょうか?

私は「子どもの性格と先生の教え方による」と思います。他の子のことも考えずに自分が知っていることを自慢するような子や、正しい答えを出すことのみを求める先生だと、そういう状態になるでしょうね。

授業は、知識の習得だけでなく、その知識を活用すること、思考力をつけること、その学習についての興味関心を高めることが求められます。

例えば、「1+1」の学習で「りんご1こ+うさぎ1ぴき」は可能か?「大きなぞう1頭+小さなぞう1頭」ならどうか?「+」は縦棒と横棒、どちらから書くのが正しいか?1+1は2という別の形になるのに、なぜ9+1はAとかじゃなくて1と0を書くのか?他にどんなお話が1+1になるか?なんてことも、わざわざ聞かないにしろ学習しているわけです。

2年生で、かけ算の学習前に「オレかけ算知ってる!」という子には「じゃ2×3と3×2の違いをみんなにわかるように説明してね」というとたいてい黙り込んでくれます。違いを説明できるくらい理解してる子もいますが、そういう子は自慢したりせず、先生の話をしっかり聞いてていねいに学習に取り組みます。

本当に「できる」子は、自分がどのくらいできているのか理解しているので、「その程度のことは自慢するに値しない」ということも理解できているのだろうと思います。

そう考えると、思いっきり先走っちゃうというのもありなのかな?
前に記事にした本を思い出したので、リンク張っておきますね。
http://moon.ap.teacup.com/mippi/59.html


2009/6/17 20:28 投稿者:かつのり
先走ってもだいじょうぶなのだと思います。「あ、それ知ってる!」って、やる気につながるから。先生に、できるところを見せたくなってやる気が増すという効能があると思います。
>「これ知ってる!」「かんたんかんたん!」
>「そうそう、『め』と『ぬ』は似てるんだよ
>ね、間違えないようにしなくちゃ」
…という部分、実感しています。


2009/6/19 13:30 投稿者:まーくん母
コメントありがとうございました。
今週 授業参観で現場を見てきました!

個人的感想:先走るほうがいい。

いきいきと手を挙げている子や授業よりも外が気になる子など、いろいろでした。
理解できている子は 態度が違う(汗)

今どきのお子様、1年生からK文通い、という児童は珍しくないようで、なんだか「塾」にいくことが当たり前の世の中、自分の時代とは随分と変わったものであります。
日本は本当にお勉強に対する意識が高いですね。お勉強嫌いな私はつらいです(涙)


2009/6/28 19:48 投稿者:みっぴ
■まーくん母さん
>理解できている子は 態度が違う(汗)
逆に、態度が違うからこそ、理解できるのかもしれません。
一年生は何より学習訓練と言われますからね。まず話を聞くとか、姿勢良くするとか、…あ、次の記事に関係があるなーなんて。
(^O^)v読んでね♪
あと、勉強が嫌いでも、これなら一生懸命できるという、自分が熱中できる何かを見つけるといいんじゃないかなと思います。
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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