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小学校の子ども達のことや、学校の様子を振り返って & おすすめの本、趣味の話など…まあ、適当に。 (2022.6.14ここに引っ越してきました)
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やっぱ長くなったので(2)です。

 今回の文章は、以前ホームページに載せていたものを再構成・加筆してお送りします。

2.小学校前にできるようになっておいてほしいことその1(お子様編)

 小学校に上がるまでに日本語を全然喋らない子って、普通の環境じゃまずいないよねぇ。それなのになぜ、「ひらがなが読めなくていい」とか、「小学校で学習することは小学校までに経験させなくていい」と思うんだろう。

 小さな子がお風呂にはいるときに20まで数えたり、自分の名前を書いてみたり、折り紙を折って遊んだり、砂場でおだんご作ったり、ジャングルジムに登ったり…。レディネスと言うのかな、経験をインプットしてやらなきゃアウトプットできる子にはならないと思うんだよな。

 ましてや、友達の作り方も、喧嘩の仕方も、仲直りの仕方も、小学校で教える中身じゃないのになぁ。

 小学校に上がるまでにできるようになってほしいことをまとめてみよう。

1.人の話は黙って目を見て聞くこと。
 やっぱりこれが一番大切かな。今毎日のように指導しなきゃならないのは、

★話が始まったら、先生でも友達でもスピーカーの放送でも、まず黙りましょう
★お話をする人の方に体を向けましょう
★話している人の目を見て聞きましょう
★動かないで聞きましょう
★手はひざにおきましょう(ものを触りながら聞かない)
★話が終わるまで黙って聞きましょう(お喋りや質問をしない)
★話が終わってから分からないことを尋ねましょう
★話が終わってから、どんなお話だったか簡単に言えるように聞きましょう
(↑これができない子が多い!黙ってるだけで、内容を聞き取れていないってことです)
★わかったらお返事しましょう


こんな細かいことをモグラ叩きのように毎日言っております。はあ。

2.クレパスでいろんな線を引くこと。線を引いた中を柔らかく塗りつぶすこと。
 クレパスは、チョークのように置いてあるのをつまんだ形で持つのがいいです。くれぐれも鉛筆の持ち方にならぬよう。つまんで持った時の指の曲がり具合が、鉛筆や筆、チョークを持つことの基礎になります。はみ出さずに塗りつぶせることは指先の細かさを育て、漢字をマスからはみ出さないように書けることにつながります。

 ちなみに、クレパスというのは商品名(サクラクレパス)です。ぺんてるは「ぺんてるふとパス」と言いますが、品物そのものの名前は「パス」です。クレヨンはパスとは違い、色が画用紙に定着しづらいので学校では使いません。

 鉛筆を持つのはあまり早いと変な持ち方になってしまうので、お勧めできません。どうしてもと言うときは、太い鉛筆で4B〜6Bくらいの柔らかいものにし、正しい持ち方をしっかり教えましょう。
 クレパス以外には、はさみ・のり(手で付けるもの)くらいはある程度使えてほしいなと思います。

3.ジャングルジムやうんてい(さるわたり)、のぼりぼうやぶらんこでしっかり遊んでおく。
 ぶら下がったり、逆さまになったり、ブランコで立ちこぎしたりが鉄棒運動の基礎になります。あと、お布団の上ででんぐり返りしたり、タイヤをしっかり手をついて飛び越したり、いっぱい遊んでおいて欲しいなぁ。「けんけんぱ」は、跳び箱の踏み切りの感覚を育てるのに役立ちます。

4.物は大切に扱うこと。
 使った物は元に戻す、一つずつ道具を出して使い、終わったらしまう、やたらと物を捨てない、など。おうちの人がしてあげてしまうと、子どもはいつまでたってもできないんで、子どもと一緒に片づけるのがベストだと思います。実際、学校で使った鉛筆を筆箱に戻さずにそのままランドセルに入れて帰る子、一年生で既にいます。できないんじゃなくて、面倒だからしない、それで習慣付かないのです。そのうち、ほんとうに「できなく」なります。

5.食事のマナーを理解し、楽しく食べること。
 テレビは食事中はつけない。給食中にテレビはつけませんよ。お椀は持って食べる。いただきます、ごちそうさまを言う。つまり、その間だけ食べる。食事中に席を立たない。トイレは食事の前にすませておく。他の人の物や大皿にあるものや鍋の中のものを勝手に食べない。箸の持ち方も正しくね。お箸の上の一本は鉛筆の持ち方になりますし、下の一本は筆の持ち方と同じなんです。あ、筆の場合はちょっと前に倒しますけどね。これらは、好き嫌いを直すことより先にするべきじゃないかなって思います。

6.家の周りは一人で歩けること。
 出来れば、家から学校まで一人で歩けることが望ましいです。入学してから覚えると思ってるおうちの方、本当にいます。近くのお店にお買い物に行ったりして、大人と話ができるようになっておくといいですね。生活科や社会科に役立ちます。それから、横断歩道でないところを渡ったり、歩行者用信号が点滅なのに渡り始めたりしていないでしょうか?これはおうちの人と一緒の時にどうしているかがそのまま出るところですね。

7.「これは?」「お花」「これは?」「毛虫よ」で済ませていませんか?
 2〜5歳くらいが一番知識のINPUTされやすい時期です。思いっきり教えてあげましょう。「けむし」「あおむし」という名前の虫はいませんし、「ざっそう」という名前の草はありませんが、最近の子はこれが分からない。経験不足なだけなんですけどね。

8.じゃんけん、あみだくじなど
 子ども同士のルールとして知っておくべき物は理解できるようにしておきましょう。また、後出しなどのズルをする、負けると「今きこえてなかった」と言い訳してやり直そうとしたり、ゴネたり泣いたりというのはそろそろやめて欲しいですね。友達が減ります。

9.折り紙、ひも結び
 学校でプリントを持って帰るときに、まともに2つにおれない子の多いこと!チラシを使って大きなものから折らせるようにするといいと思います。あと、ひもを結ぶのも。リボン結びって言ったり、蝶結びって言ったりしますが、輪を2つつくって結び、端を引っ張るとほどける結び方、出来ない子が多いんです。エプロンのひもをうしろで結ぶのができるといいんですが。…と書いていたのは数年前。今、縄跳びの縄を一回結んで片づけるのもできない子、続出です。

10.砂場で泥だんごや山やトンネルを造ること。
 水加減がわかるようになることが大切ですね。でも、それ以外に「水にまぜても砂は時間が経つと堆積する」とか、「振動を与えると大きな粒が上に上がってくる」とか、そういうことも体験することができます。また、植物の苗を植えたりする時に土の扱いがうまくなります。理科で(3年生ですよ)虫を怖がって泣いたり、植物の観察で土が付くのを嫌がって触ろうとしなかったりする子がいると学習になりません。

11.ぞうきん絞りとほうき・ちりとり
 掃除の仕方から教えるのは一苦労です。6年生が教えに来てくれる学校もありますが、ほうきや雑巾をうまく使える6年生ばかりとは限らないし…。お風呂に入ったときにタオルを絞るのでもいいですね。お洗濯の手伝いをさせるとか。ほうき・ちりとりは玄関やベランダで使ってみてはどうでしょうか。

12.転んですりむいたらどうするか
 一番に水で洗う。これを知らない子が多いです。ひどいときは泣くだけ。全部してもらってたのかしら?と思いますが。水で洗って保健室に行くくらいは自分でできるようになっていただきたいものです。

13.叱られたら「ごめんなさい」
 叱る時、「だめでしょう」「こんどからはしないのよ」などと、こちらが言うだけですませていませんか?子どもに「ごめんなさい」を言わせていますか?つか、「ごめんなさいは?」と言わないと言えないってのはどうかなーと思ったりします。理想は「○○をしてごめんなさい。もうしません」と自分が反省している内容をきちんと言うことですね。

14.着替え(水着なども)
 小学校では誰も着せ替えてくれません。最近気になっているのは、座らないと靴を履いたり脱いだりできない子が増えたこと。靴箱は混雑するので、立ったまま履き替えができないと遅くなりますし、場所を取って他の子に迷惑になります。逆に、体操服に着替えたりするのは椅子に腰掛けたままできるようにすると速いです。

 他に、「全部脱がなくても水着に着替えられる」とか「全部脱がなくてもトイレに行ける」とかもあります。あと、自分で髪が結べないのなら長い髪にしたり結んだりしてこないで下さいねー。

15.幼児語は喋らない
「わんわん」とかだけでなく、自分のことを名前で「みっぴがぁ〜」とか喋らないようにしてほしいですね。敬語ももう話せる年齢です。それと、6歳前後で「○○して下さい」が「○○ちてください」になったり、「○○してくらさい」になったりするのは「かわいい」んじゃなくて「あやしい」と思って下さい。聴覚障害、構音障害の可能性があるかもしれません。「☆※△♪◎とって」「えっ?」「スプーンとって」「ああ、スプーンね、はい」など、子どもが何を言ったか良く聞き取れず、思わず聞き直すことはありませんか?

……・……*……・……

 まだまだありそうですが、一応このくらいにしておきます。10〜20年前ならみんな経験していたことが、なぜか未経験のまま学校に入学してきているようです。学習のことを気にする前に、まず生活に必要なことをしっかり教わってから学校に来て欲しいなと思います。

 次は「保護者編」です。子どももだけど、おうちの人も準備しておかなくちゃね。
(^O^)
(後日註:3番目はちょっとまとまらなかったのでアップをあきらめました。すみません。)


…… コメント ……

2009/7/8 21:12 投稿者:かつのり
ためになりました。「クレパスをチョークのように」は,まさに目から鱗。
15項目は多いようですが,小学校に入学してからでも大事にしたいことばかりですね。中学年以降でも「ほんとうは1年生のときに身につけてほしいことだけれど,今からだって間に合うからがんばれ」と言ってやらせたいことばかりでした。

みっぴさんは,もしや,書籍・雑誌等の執筆もしておられるのではないでしょうか。


2009/7/8 22:17 投稿者:みっぴ
■かつのりさん
ほめすぎですよ〜。自分が教室であまりにできないお子ちゃま達にイライラしてることを書いただけなんだもの。

>みっぴさんは,もしや,書籍・雑誌等の執筆もしておられるのではないでしょうか。

してないしてない!
してたらこんなとこで油売ってませんって。
\(≧▽≦)/

今日は「どうして走ってたの?」と聞いたら子どもが「ごめんなさい」って答えたんで、「悪いのはわかってんの!何で走ったかわけを聞いてんだからちゃんと答えなさいっ!」てブチ切れてました。あは。
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私とブログについて
小学校の教諭をしていましたが、2012年に退職しました。
定年じゃないですよっ!
ヾ(@°▽°@)ノ
今は、教育とは全く関わりのない生活を送っています。

ここに書かれている教員生活は過去のことですが、 今、先生として頑張っていらっしゃる方々の 何かしらのヒントになればと思って、 そのまま置いておくことにしました。

大変な毎日だと思いますが、まずは自分自身を大切に、 自分のできる範囲で頑張って下さいね!
応援しています。
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