このあたりの学校は、一年生だけ特別な名札にしてあることが多いです。
普通の名札は校章が入った布製のものを透明のカバーに入れるようになっているのですが、一年生だけは、学級によって決められた色の縁どりがある紙にひらがなで学校名と名前を書いて、透明のカバーに入れてつけます。

学校によっては、登下校時に不審者から身を守るために名札を学校においておくようにしているところもあり、そうすると一人で安全ピンの取り外しができないといけなかったりするので、入学前に安全ピンが使えるようになっておきましょう…という話はおいといて。

名札が特別なので、入学式で配布した残りなど、予備を担任が持っておいて、名札を新しく買う場合は担任を通して買います。それで、一年生に限っては、名札の消費量を担任が把握できるわけなのですが。

今年の一年生は、今まで担任した一年生に比べて、名札の消費量がものすごく多いです。学級の人数は少ない方なのに、もうすでに20枚近く販売しています。特に記録は取ってないのですが、数名の子が何度も購入しているようです。

「なくしました」「服ごと洗濯してしまいました」「親戚の家に置いてきました」「飲み物で汚れました」などと、連絡帳でお知らせがあります。いや、別に理由は書かなくていいんですけどね。

で、その何度も名札を買う子っていうのが、整理整頓を「しない」子だったりする。

机の上に水筒がある。椅子の下に手下げ袋が落ちている。ぞうきんが床に落ちている。連絡帳を朝提出しない。プリントに名前を書かない。着替えが遅い。

「しなさい」と言って、じっと見ていると一つずつ片づけていくので、「できない」ではないのです。でも、自分のものが床に落ちていても気にならない。ほかの子がどんどんやっていても自分だけおしゃべりばかりしている。みんなが片付け終わって、一人取り残されてからやっと自分がしていなかったことをし始める。そりゃ遅くなって当たり前だわ。

で、親にも、時々いるんですよ。
「集金袋を紛失したので、手持ちの封筒で持たせます。金額をもう一度教えてください」
「水泳参加確認書を持たせるのを忘れていました。済みません」
「今度の懇談会は何時からですか？」時間割に載せていましたよ？
などなど。

最近は、ああ、もしかしたら、このおうちの方も「片付けができない人」なのかなあと思えるようになってきました。一見お家は片付いているように見えるけど、たとえばクローゼットの扉を開けるとそこは山積み状態で何がどこにあるのかわからなかったり、テーブルの上にすぐ物を置いてしまったり。その状態で子どもが学校の書類をテーブルに置いても、新聞やダイレクトメールと混じって捨てられてしまったり、下に落ちている服をかき集めて洗濯したら名札がついたままだったり…。

子どもは「物をすぐ元に戻すこと」を教えてもらえる環境で育っていないのだから、学校で片付けができないのは当たり前といえば当たり前ですが、それじゃこの先困るのは子どもですよね。

子どもと一緒に、「使ったものはすぐ元に戻すこと」「机の上は何もない状態にすること」「大事なものを置いておく場所を作ること」など、少しずつやっていけるといいんじゃないかな。子どもでも片付けができるような部屋になっていないから、大人が「あ、そこに入れちゃだめ！わかんなくなっちゃうでしょ。もういい、置いといて、ママが片づけるから」と、子どものものまで片づける羽目になってしまうのでは？と思います。まあ、私も人のこと言える状態ではないですから、今、物を捨てまくって片づけているところですけどね。

それと、「うちの子はまだ小さいから」とついしてあげてしまうのも「しない」子を作る原因になっているように思います。参観のあと、一緒に帰る子のランドセルを持ってやる親、増えました。赤ちゃん扱いしているように見えますよー。